INNOVATION

アイデア&コンセプト開発

アイデア&コンセプト開発は、創造的なアイデアを生み出すために、グループで協力的に作業するためのメソッドです。汎用的なアプローチであり、さまざまな状況に合わせて適応・カスタマイズすることができます。アイデアを生み出すための基本原則や、グループが作業するためのステップ、アイデアの選択と開発のステップも含まれています。

  • 所要時間

    60〜120分

  • 参加人数

    2〜40名以上

  • 提供レベル

  • 心理的安全性

    ミドルゾーン

  • 用意するもの

    なし

進め方

  1. Step 1

    参加者を4~6人のチームに分け、アイディエーションの目的を共有します。
    目的は状況によって作られます。単にアイデア出しの方法を試したり練習する場合もあれば、成果を重視した具体的な新しいアイデアを出すことが目的の場合もあります。
    いずれにせよ、導入部では目的や内容を説明するようにしましょう。

    ダブルダイヤモンドモデル(The Double Diamond Model)
    (https://www.frontiersin.org/files/Articles/55544/fnhum-07-00656-r2/image_m/fnhum-07-00656-g001.jpg)

    提供のヒント:
    下記は1回分の集中セッションとして設計していますが、ステップを拡張し、数日に渡り実施することもできます。アイデア出しやコンセプト開発を短時間で体験することが目的であれば、1回のセッションとして実施してください。実案件として新しいコンセプトを開発することが目的であれば、各ステップにもっと時間をかけて取り組んでください。
  2. Step 2

    アイディエーションの原則を紹介する
    チームに対し、効果的なアイデア出しのための原則を簡単に紹介します。これらは、アイデア出しの初期段階における創造性、発散的思考(https://en.wikipedia.org/wiki/Divergent_thinking)、アイデアの量を確保するためのシンプルなガイドラインです。

    「はい、そして… (yes! and…)」
    他の人のアイデアを「イエス!」と肯定して、そのアイデアを土台にし、自分のアイデアを加えましょう。相手に積極的に耳を傾けることで、アイデアを構築したり発展させることができます。

    量こそ正義
    第1段階ではアイデアの量をたくさん出す事が重要です。 「優れた 」アイデアを出そうとするのではなく、できるだけ多くのアイデアを書き出すことに集中してください。すべてを出し切りましょう。

    判断は後で
    出てくるアイデアを評価したり、批判したくなる気持ちを抑えましょう。まずは「何でもあり」で実施し、判断は後回しにします。

    チームが全て
    チームメンバー全員が参加することで、全員の頭脳を最大限に活用します。全員がアイデアを出せる場所を作りましょう。
  3. Step 3

    鍵となる質問
    次に、アイデアを出すための質問を共有します。チームが自分たちで質問を構築する場合もあれば、すでに取り組む質問が決まっている場合もあるかもしれません。
    「鍵となる質問」は、切実な問題やニーズに対する解決策を模索するような、オープンで明確、かつ魅力的でなければなりません。

    How might we構文(https://toolbox2.tds-g.biz/tool/how-might-we-questions/
  4. Step 4

    アイディエーションツール
    質問や疑問を明確にした上で、それらに基づいてアイデアを出し始めましょう。このステップを支援するために、アイディエーションツールをいくつか紹介します。

    連想:ランダムな単語やイメージを使って、連想しながらアイデアを出します。ランダムな単語やイメージを軸にして2分間アイデアを出します。その後、新しい単語やイメージを軸にもう1度繰り返します。

    ネガティブ・ブレインストーミング:「鍵となる質問」を否定的・ネガティブな形に変えて、それを軸にアイデアを出します。例えば、「Hyper Islandはどのようにして世界最悪のTOOL BOXを作ることができるか?」に基づいて最悪なアイデアを出した後、出てきたアイデアを反転させるとどうなるかを探ります。

    Googleならどうするか?:Google、Nike、Kickstarterのプロジェクト、国連、地方自治体、Ikeaなどになったつもりで焦点を当てる質問・疑問を探ってみましょう。

    ユーザー目線:特定のユーザーの視点から焦点を当てるべき質問を探ります。15歳の少年にとってはどうでしょうか?おばあさんにとっては? 等

    マッシュアップ:「マッシュアップアプローチ」を使って、焦点を当てるべき質問に関連するテクノロジーや物事など、さまざまな要素を組み合わせてブレインストーミングします。
  5. Step 5

    アイデアを出そう!
    チームに一定の時間を与え、紹介したツールの1つもしくは複数を使ってアイデアを出してもらいます。ある程度の構築ができるような十分な時間が必要ですが、プレッシャーを感じるくらいの短い時間で実施しても構いません。
  6. Step 6

    グループ化&絞り込み
    アイディエーション後、共通のテーマや類似したアイデアをグループ化し、整理します。
    重複したものを取り除き、それぞれのアイデアグループにタイトルをつけます。
  7. Step 7

    選択
    アイデアを整理したら、進化させるべきアイデアを1つ、もしくはいくつかを選びましょう。
    選定基準はこちらが設定しても、チーム独自の基準を作成しても構いません。
    例:アイデアは、関連性・実現可能性・ニュース性の3つの基準に基づいて選択されるべきである。

    基準が設定されている場合、「ドットモクラシー(ドット投票)」を使ったシンプルで迅速な選考方法を使用することもできます。各参加者にアイデアに割り当てるための一定数のドット(丸形シール)を配布します。民主的に投票を行い、シールの数が多いアイデアがグループ内で最も多く賛同を得ているアイデアとみなします。

  8. Step 8

    発展させよう!
    最終ステップは、上記のステップで決定した有望なアイデアをさらに発展させることです。アイデアをさらに進化させ、コンセプトや機能性、実現可能性、ビジネスモデルなどの詳細を検討します。この作業は同じセッション内で実施しても、日を改めて長時間じっくりと実施しても構いません。

*参考:このプロセスは、UKデザイン評議会が開発したデザインプロセスモデル「ダブルダイヤモンド」にヒントを得ています。 日本語訳:Hyper Island Japan Team